iPadと電子書籍とデザイン

2月 1st, 2010

先日のiPadの発表を見て、ようやく電子書籍が普及して出版のあり方が変わると感じられました。少し時間はかかりそうですが、おそらく2〜3年で「普及した」と実感できるのではないでしょうか。普及するまでの間、日本の出版社や取次などが抵抗を見せるも結局は流れに逆らえないといった、音楽業界が辿ったのと同じ状況が起きるのでしょう。

出版業界についてはともかく、いちデザイナーとしては電子書籍普及後のデザインのありかたについてが気になるところです。おそらくテキスト中心の一般書籍はそのまま電子化されます。あえて本として手元に残したいと思うものや、本でなければ伝えられないニュアンスといったリッチなものは印刷されるでしょう。あるいは全く逆に暇つぶしの為のペーパーバック的なもの、というように二極化するのではないでしょうか。

ここではリッチな本作りの方への対応を考えてみます。まず、本にとって印刷された内容以外の重要な要素を挙げます。紙の質感、色、厚さ、手触り、硬さ、カバーの材質、重量感、におい、汚れ、……などがあります。今でも上記の要素まできちんとデザインされている本は多いですが、今以上に重視されるようになるはずです。印刷会社もこのあたりに力を入れると思うので、今まで出来なかったようなアイデアも実現できるようになるかも知れません。

出版の状況が大きく変わりそうだからこそ、これからの数年はかなりのチャンスなのではないかと思っています。

「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界

1月 26th, 2010

cecil

東京オペラシティアートギャラリーで開催している「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界を見てきました。
冒頭の展示では自然物(エレメント)をスケッチして、そこからどのような構造になっているのかを発見していくというプロセスを紹介しています。これは自然物が自らそのような形態になったわけではなく、物理的な法則にかなったものが生き残った結果としての構造であり、長い時間をかけて形成されてきた自然物の構造から物理法則を読み解いていく、ということを言っているのだと思いました。
フライヤーでも大きく扱われている「H_edge」は自立する鎖の柱で、物理的な法則を実感できる展示。私たちは自然というと植物や動物を思い浮かべがちですが、私たちの周りに常にある重力などの法則そのものこそ自然を成り立たせている基盤となっているのです。「H_edge」の中に立ってそんなことを考えました。

もっと実際の建築物の模型なども見たかったという気もしますが、私たちが「エレメント」から何を学んで、どう活かせるのかを考えるきっかけとしては良いのではないかと思いました。

「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界
2010年1月16日〜3月22日

針金のデッサン:マキネッタ

1月 20th, 2010

wire espresso

針金を使った立体デッサン。エスプレッソマシン。

『高校生による高校生のための雑誌』にモビールの作り方を提供

1月 15th, 2010

dicty mobile

『高校生による高校生のための雑誌』”SK : Sea-kindly”にモビールの作り方を提供しました。

dictyはDictyosteliumの略で、細胞性粘菌の一種であるタマホコリカビをモチーフにしたもの。これを見てモビールや粘菌などに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

”SK : Sea-kindly”