ペーパークラフト ドラム
火曜日, 2月 9th, 2010小一時間。
小一時間。
先日のiPadの発表を見て、ようやく電子書籍が普及して出版のあり方が変わると感じられました。少し時間はかかりそうですが、おそらく2〜3年で「普及した」と実感できるのではないでしょうか。普及するまでの間、日本の出版社や取次などが抵抗を見せるも結局は流れに逆らえないといった、音楽業界が辿ったのと同じ状況が起きるのでしょう。
出版業界についてはともかく、いちデザイナーとしては電子書籍普及後のデザインのありかたについてが気になるところです。おそらくテキスト中心の一般書籍はそのまま電子化されます。あえて本として手元に残したいと思うものや、本でなければ伝えられないニュアンスといったリッチなものは印刷されるでしょう。あるいは全く逆に暇つぶしの為のペーパーバック的なもの、というように二極化するのではないでしょうか。
ここではリッチな本作りの方への対応を考えてみます。まず、本にとって印刷された内容以外の重要な要素を挙げます。紙の質感、色、厚さ、手触り、硬さ、カバーの材質、重量感、におい、汚れ、……などがあります。今でも上記の要素まできちんとデザインされている本は多いですが、今以上に重視されるようになるはずです。印刷会社もこのあたりに力を入れると思うので、今まで出来なかったようなアイデアも実現できるようになるかも知れません。
出版の状況が大きく変わりそうだからこそ、これからの数年はかなりのチャンスなのではないかと思っています。